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活動レポート ワールドハラールウィーク2013

| 2013年4月21日更新 | 活動レポート

活動レポート ワールドハラールウィーク2013 

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今年で第8回目となるはずのワールドハラールフォーラムはこれまでの主催であったIHIが政府系のHDC、MATRADEと共に運営側へ周り、MITI(国際貿易省)が主催となり、例年のHDC主催ハラールリサーチ、ハラール見本市MIHASらと同時併催となる。総合した形で名称も改められ「World Halal Week」として4月3〜4日マレーシア・クアラルンプール KLCCにて開催された。

マレーシアの国際貿易&産業省大臣(YB Dato Sri Mustapha Mohamed)のオープニングのご挨拶で始まり、副大臣(YB Dato Paduka Mukhriz Mahatir)のクロージングのご挨拶で終った。

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協会からは私一人で参加。他の日本人の参加者では大学、企業の方々が見えられた。協会がこのイベントに参加する意味というのは、‘今’の世界のハラールプレーヤーの顔ぶれを拝見する事、最新のハラール事情に接触する事、情報収集、世界の協会の協力者の方々にご挨拶をする事である。いわば外交活動のようなもので協会が発行するハラール認証がより世界的に認められ、より効率的に利用者の利便性の向上が目的であり、それを定期的にすることで世界におけるJHAの存在が変わってくると考えている。今年はスピーカーの顔ぶれがハラールキーマンである人物らが来場していなかった事、海外からの参加者数が例年より少なかった事を除けば、協会としては大変成果のあった2日間となった。

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1日目:世界中でハラール産業が定着していく中で、我々ムスリムにとって原点であるイスラムの精神の部分を必ず併せ持っていなければならない事を思い出させてくれるイラクのマウラナによるドゥアから始まる。

議題は「イノベーションでハラールエコシステム活用」、「ハラールR&D」、「ハラール製品に対するマーケティング方法と成功者の成功法」等。スピーカーらは諸大学の教授らやハラール産業参入によって成功した企業らの事例を用いてのお話。

 

「ハラール」という付加価値を付ける事で製品の信頼性や品質が向上する。そのハラールエコシステムとはどういう事なのか。

ハラールに屠畜するという事は、屠畜動物がハラールに屠畜される以前に、その動物がどのように・何を餌として与えられていたのか、どのような扱いを受けていたのかを知る事から始まる。「動物愛護」の面でハラールか否かを確認する。それもハラールの一つの付加価値。特定のトレーニングを受けたムスリムの屠畜人が屠畜する事でハラール屠畜ができる。これも付加価値。加工され製品となる。ハラール製品として、これも付加価値。品質保持システムで管理する事から良質なハラール製品として、これも付加価値。総合して、価値のある製品となり、その対価を消費者は支払う。消費者にとっては例え非ムスリムであっても価値のある製品に対して妥当な値段であれば支払う。そして成功に繫がる。

「持続する将来のために、【環境に還元】するハラール」バランスのとれた、良い、オーガニックなハラールエコシステムを築き上げる事がこれからのハラール産業には必要とされるだろう。

 

従来の西洋式マーケティング方法だけではハラール産業に従事するムスリムはイスラムの原点を忘れてしまいがちである。付加価値に対してプライドを持ちすぎることや傲慢になる事はイスラムでは好まれない、聖典クルアーンに従ってハラールな生活をする事を心がけ、神の教えのために世界のハラール化を志している事。そして、決してイスラムの精神を忘れてはいけない。

 

今後のハラール化に際して何か必要であるか。

生物学者、科学者、化学者、獣医、機会工学士、電気工学士、イスラム法学者等を集め、ハラールR&Dを形成する事。

例えば、世界ハラール基準が統一されにくい大きな理由として、動物屠畜の際に神経麻痺を使用するか否か。中東やヨーロッパのムスリムは使用を断固拒否し手いるのに対し、アジア圏では比較的受け入れられている。フランスのようにヨーロッパの一部の国では神経麻痺を用いる事が法律で義務づけられている。従って法に触れないために、その規制がない別の国で屠畜をするハラール肉の提供者もいる。神経麻痺が動物にとって本当に愛護的であるか否か、これが未だかつて立証されていないことからこの問題は続いている。反愛護的であると主張する側は、ヨーロッパの法律に打ち勝つだけの立証するための研究とデータが必要となる。

人によって複合化されたものに十分なハラール対応をするための研究機関を設置し、各分野において専門的な大学などと連携し、基盤のしっかりした良い研究チームを作ることが今最もハラール産業において各国で必要とされている課題である。

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資金集め:

何をするにも資金がなければなかなか行動をとりにくい。そこでこの度、マレーシアの民間機関が湾岸を中心とした投資家らを集め、ハラールリサーチセンター(R&D)やハラールビジネス等、世界中のハラール産業の発展のために投資をする、というスキームを作り上げた。

AZKA Capital: http://www.azkacapital.com/

マレーシア政府はこれに対し$500milの支援をする事を前首相アブドラバダウウィ氏が同ハラールフォーラム内で4月3日発表した。

http://www.altassets.net/private-equity-news/by-news-type/fund-news/malaysian-government-to-support-azka-capitals-500m-halal-food-fund.html

 

AZKA Capitalの代表であり、IHI Allianceの代表であるDarhim Hashim氏は当協会の日本での認証機関としての設立からお世話になっている方であるが、彼から「日本の特殊な技術をもつ製造企業らを是非、紹介してほしい。」と日本からハラール産業の先駆的な架け橋となる企業を排出す事が期待されていると話された。

 

ハラール産業はムスリムにとって『信仰+未来』

ハラール認証を取得した事を示す「ハラールロゴ」は安全性、宗教性を生産者だけではなく、第三者による更なる保証がある事を意味する。それはムスリムだけに意味のあるものではなく、品質にこだわる消費者全てに当てはまる保証である。

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マレーシアでは政府がその年の最優秀ハラール製品を表彰する機会がある。ハラール性はもちろん、品質、安全性、環境によい、新技術を駆使したような製品が選ばれる。この日紹介されたのは表彰されたトップ5。中にはタピオカで使い捨て食器を作っている企業もあった。原材料が食べられる素材である事、プラスティックの素材であれば半永久的に自然へ返る事が出来ないのに対し、その製品は水に入れると2時間で溶媒する。生産者にとってこの表彰を受けることで当人はもちろん同業者も更なる製品の進化や向上にかき立てられるし、社会の中で間接的に消費者を教育する事ができているのではないだろうか。提供者・消費者共にハラールについてよく理解するための教育は今後の発展のために必要不可欠な要素である。

 

2日目:「ハラール産業を運営するに際して、その資金がハラールでなければハラール産業を運営する事は完全なハラールエコシステムにはならない。」とイスラム銀行関係者は言う。マレーシアにおけるJAKIMによるハラール認証の条件に企業がイスラム銀行を利用し、資金のハラール性も確認した上でハラール認証するべきである、と提案される。

確かにそれは理想的である。しかし、現実には全く無理だろう。

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非イスラム国家においてハラール医療サービスを受けられる事が可能かどうか。イギリスではすでに事例がある。非イスラム国家であるということは非イスラム教徒にとっても公平で平等な対応なければならない一方、違う「需要」に対して違う手法を施す事は当然であると考える。食事、スタッフの教育、礼拝所、男女別に配慮した施設などに重点をおいている。

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また、非イスラム国家においてハラール製品の売り出しをする場合は公平で平等という全消費者の要望と、違う「需要」に答える事を配慮した事例では、ヨーロッパの某大手ハイパーマーケットではハラール製品の需要が多く、店舗内にハラールコーナーを設置した事によって売り上げが伸びた事からその需要の大きさは十分理解をしているが、ウェブサイトなどではあえてその情報は公開していない。

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最後は国際貿易&産業省 副大臣YB Dato Paduka Mukhriz Mahathir氏のお言葉で締めくくられる。「政府は今後も毎年、この世界ハラールフォーラムを主催していく予定である。今後マレーシアは原材料と添加物産業に力を入れていきたい。」今年は危うく開催されなかったかもしれないハラールフォーラムだが、このお言葉のおかげでしばらくは心配なさそうだ。

 

おわりに

2日目が終え得た印象はハラール先進国マレーシアでさえまだ手探りな部分が見られるが世界中どこを見ても実はそうなのだ、という所でまだ日本だってさほど遅れを取っている訳ではないと気づく。マレーシアは着実に自国の利益になるようシステムを構築し世界へオーソリティーと共にハラール製品を発信している。これが世界の中でもハラール産業で成功を納めているマレーシアの手法である。非イスラム国、日本が真似をする事は難しいが関係者や機関がそれぞれ協力する事で可能性はある。今日本に必要なのは運営する良いチーム、情報を整理してシステム化、消費者と提供者側の教育であると感じている。

近い将来日本が非イスラム国家における最高のハラール産出国であり、ムスリムフレンドリー国家No.1になる事は夢ではないだろう。 

レモン 史視

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スピーカー:

Prof. Dr. Pervaiz K. Ahmed (Head of management, Director of the strategy Research group and director of Halal Ecosystem research platform Monash University)

Prof.Dr. Karim Douglas Crow (International institute of Advanced Islamic studies Malaysia)

Prof. Dr. Cedomir Nestrovic (Professor of International Marketing and Geopolitics, ESSEC business school, France)

YB hg Dato Seri Jamil Bidin (CEO Halal Industry Development corporation, HDC Malaysia)

YAB Tun Abdullah Hj, Ahmad Badawi (Former Prime Minister of Malaysia)

Dr. Hani Mansour Al Mazeedi (Associate research scientist Kuwait Institute for Scientific Research)

Associate Prof. Dr. Hamzah Mohd Salleh (Director International Institute for Halal research and training INHART Malaysia)

Mr. Othman MD Yusoff (Nestle and Manager Halal Affairs Nestle Malaysia)

Mr. Vuitton Pand (GM Finance Mamee Double Decker Berhad)

Prof.Dr.Robert Renaville (CEO & Co founder Progenus Belgium)

Mr. Mark Rozario (CEO Agensi Inovasi Malaysia)

YB Dato Sri Mustapha Mohamed Minister MITI

 

 
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