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ハラールエクスポ2012 パリ フランス 活動レポート

| 2012年4月6日更新 | 活動レポート

201242日〜3日の2日間、パリ市内ポートデベルサイユ(Port de Versailles)にてその他の食品展と併設され開催された。ハラール部門の出展数は約50社、規模的には数時間で十分回れるほどの小さなものであったが、開催時間から午後までカンファレンスがあるなど、充実したイベントであった。

大手の姿は見えず、多くは北アフリカ系、フランスの加工食品、スパイスや米、肉の加工食品が多く、化粧品企業も1軒見られた。後はフランスのハラール認証団体が数軒、イギリスの食肉輸出業社数軒、インドネシアから1社、マレーシアはパリのマートレード(MATRADE:マレーシア貿易産業センター)がマレーシアの食品企業らを率いて一つのブースにてそれぞれの商品を紹介していた。

ヨーロッパのハラール市場はこれまでにも少しずつ触れてはきたが、直接会場で各関係者らから話を伺えたのは幸いで、改めてヨーロッパのハラール市場が中東やアジア諸国のハラール事情とは全く異なる事を実感した。

海外テレビ局を含む数社のインタビューに入っているほど、やはり世界からの注目度は高く、我々JHAスタッフもインタビューを受けた。

インタビューアーの質問の内容は、‘ハラール産業は世界でどのような役割をしていると思いますか?’

それに対し、‘ハラールはムスリムにとっては毎日の生活に必要不可欠な物、非ムスリムにとってはビジネスチャンスであることから双方の利益を持ち合わせるからこそ社会に浸透している。今後もどのような形であれ発展させていかなければならない産業だと思います。’、 

別の同じような質問では、‘非ムスリムがハラール産業に参入することについてどう思いますか?’

‘非ムスリムがビジネスを展開しても、ムスリムがイスラム法に沿って主導権をもつ事、又は管理すること、そして非ムスリムはそれを尊重することで成立させることは可能です。しかし、ハラール産業はせっかくの良いビジネスチャンスなのだからムスリムによって全展開がなされ、全営利を請うべきだとも思います。’と答えた。

今回のイベントで特に注目した事の1つ目は、今大変問題になっている屠畜方にまつわる事情である。その根拠が大変欧米らしく、それに対する対策も興味深い。

ヨーロッパでは最近イギリス、フランス、オランダにおいて動物愛護団体からイスラム法における屠畜方法について、屠殺前に神経麻痺を使用しないことから非動物愛護的であると指摘されており、オランダではすでにハラールやユダヤ教のコーシャを含む屠畜はもちろん、肉の輸入も禁止されている。

同じくフランスでも現大統領のサルコジ氏が神経麻痺なしの屠畜を禁止する、すなわちフランスからハラール肉がなくなってしまうかもしれない、という話題が持ち上がっていたほどだ。

更にイギリスでも同じような問題は浮上しており、イギリスのハラール精肉業者らはそれに対抗にする団体を立ち上げている。イギリス国内のハラール市場は神経麻痺を用いる屠畜法を受け入れず、‘No Stunning’と判を押された肉のみが市場に流通しているという。

一方輸出を主にしている業者らは 輸出先の傾向によってそれらを使い分け、神経麻痺を用いている。又は用いないで屠殺した食肉と用いたものと両方を取り扱う業者もいるそうだ。

断固神経麻痺を用いないという業者12社が結成したのが、ANSA( Association of non stun abattoirs)といい、彼らのパンフレットやロゴには‘シャリアに沿った食品提供、’預言者様の屠殺法‘、’厳しいハラール‘などと詠われている。ここに彼らの忠実にイスラム法に従い、伝統的な方法を維持するという精神が伺える。

マレーシアのハラール基準では神経麻痺は使用しない方が良いが、使用する場合は一定の電圧を用い、動物がそれによって死亡しない事を条件に使用可とされている。

神経麻痺を使用する、しない。これによって果たして動物にとってどちらが愛護的であるのか。動物を神経麻痺で仮死状態にした所を屠殺する。これに鶏等小さな動物にはショックに耐えかねて死亡する場合も少なくはない。ある学者によれば屠殺前に体に電流を流され激痛を伴うことから反動物愛護的だと説く人もいる。

神経麻痺をしない事によって全くハラール肉が食べられないようになるか、一定の神経麻痺の処方をとり動物がそれによって死なない事を条件に使用し、ハラール肉が食べられるようになるか、究極の選択に迫られた場合、後者を選択するのが相応しいと思う一方で、これらのヨーロッパでの新たな動きは自由民主主義が作り出した‘自由’に矛盾している事に対して、人が作ったものは何でも制限があり、‘自由’を作ったつもりがそれは実は‘不自由’であった事に改めて、神の制限のない‘自由’を考え直す機会となった。

 

今回の展示会でもう一つ注目をした点は、フランスのハラール認証機関。ここで展示されている食品のハラール認証はそれぞれ異なり、それだけ多くの認証機関が存在することが分かるが、その中でも従来の認証団体よりもその認証方法がとてもシステム化されており厳格である、それが昨年にもメディアで報道された大変信頼のおける団体AVSの代表とたまたま通りがかった所に居合わせたという環境で談話する機会がもてたことは大変幸いであった。

基本的に肉類以外の認証はせず、主に精肉、加工肉製品、レストランなどの認証を行っている。AVSは先のイギリスの団体のように屠畜の際に神経麻痺を基本的に使用しないが、ガチョウのみ使用する。

そして、その対策という意味だと想像するがAVSの分派として新たにガチョウは取り扱わないで、100non stunを基準としている屠畜とハラール認証機関が新たに設けられた。‘Achahada’という名で、そこのブースに立って訪問客の相手をする男性達はみんなディスターシャやジャラバーとよばれる丈の長い白い男性用の衣装をまとい、丁寧に接客を行っていた。

フランス国内には70軒以上のハラール認証機関があるといわれている。モスクが行うものもあれば、個人が行うものもあり、その形態や用いられている方法は様々である。

通常、どの認証を行うにも、認証前の調査、監査が実施されることが当然だと思うが、中にはそれすら無しに‘自己申告’してきた者に対して何のチェックもなしに認証書を発行する機関すらある。これらは認証行為自体がビジネス化され、認証の基準や信頼性を下げるものの大きな要因であるが、一方でAVSAchahadaのようにイスラム法に沿いハラール基準をもち、厳格な審査を行う機関も少ないが存在する。

そしてもう一軒出会ったのが同じく認証機関である’Halal Services’。ここの代表も声をかけると快く応じてくれたので彼らの行う認証について聞いてみた。

‘神経麻痺を用いるかどうかが良いか悪いかを自分はイスラム法学者でも何でもないので決められない。双方の意見をサポートするウラマーが存在することから私はその意見に従うのみだ。’最もな意見であり、私も個人的に同じ立場としてこれに共感する。

会場やパリ市内で無料配布されているフランスのハラールガイドと、ムスリム向けのフリーペーパーがこの国のムスリム人口とハラールの需要を物語っている。

アジアからはインドネシアとマレーシアのみの出展であったが、特にマレーシアを日本の今後のハラール浸透のためのモデルにしていく事が正解だったと実感したことは、各政府の機関がそれぞれの役割を果たしていること。

ここで出会ったマレーシア貿易産業センターは一例に過ぎないが、政府機関が各国で自国企業を応援する活動をしてくれるのは企業にとっては大変頼もしい存在である。

HDCは各国でハラールについてマレーシアのハラール認証の信頼性や、基準をプロモートし、ハラール産業への参入についてのセミナーやハラール関係者らへのトレーニングを実施する活動をしている。

JAKIMはハラール認証基準を信頼性の高いもので確立し、厳格な審査で実施している。これらの3台要素はハラールが社会へ浸透するには必要不可欠であり、更にハラールと社会を直接的に結ぶ役割が加われば確実にハラールは社会に浸透するだろう。

今後、協会がこの役割を担っていければ日本国の経済復興、社会復興へと貢献できると確信している。

ハラール産業は1に宗教性、2に社会性、3にビジネス性を持ち合わさなければ一般の社会の中で成立しない。

十年後、二十年後の日本で我々の子供達が問題なくハラールな生活を送れるように、親の責任としてこの使命を全うしたいと願う。

レモン 史視

 
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